温泉街の賑わいから少し離れた千曲川沿いに佇む「しげの家」様は、風情溢れる八室だけの小さな温泉宿。素足に心地よい畳敷きの館内には、いたるところに和の伝統美や匠の技が息づき、かけ流しの源泉が三つのお風呂に注がれています。女将様をはじめとする中居さんたちの上品な所作と心のこもったおもてなし、百戦錬磨の料理人が作り上げる絢爛かつ剛健な会席料理の数々。この記事では長いお付き合いだからこそ撮れた表情や空気感をテーマに写真をセレクトしてみました。構図至上主義者である私の現場では、調理の作業風景など以外はきっちりと立ち位置やポーズを決めて撮影します。だからこそ自然な表情でカメラの前に立っていただけるかどうか、なるべく短時間で撮り終えるといった要素で良し悪しが大分に変わってきます。先代料理長(現相談役)と、この宿の味を引き継がれた現料理長が並ぶ一番下のカットには特に思い入れがあり、人間味溢れるポートレイトとしても、宿の歴史を記録する一枚としても残るように、気持ちを込めてシャッターを押しました。
フォトグラファー:福田 大
モデル:スタッフの皆様
協力旅館:千曲之湯 しげの家様
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